口の中の病気が原因の皮膚病
口の中の病気が原因の皮膚病1
50歳代、女性の患者さんです。
突然、手のひらにブツブツができ始め、だんだん数が増えてきました。
指にも広がり家事も思うようにできなくなりました。
皮膚科に受診したところ、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と診断され、口腔外科に紹介されました。
どうして皮膚科から紹介されたのでしょうか?
実は虫歯や歯周病が進行してなることがわかってきました。
虫歯や歯周病は口の中の特定の細菌が原因です。
虫歯や歯周病が進行すると、原因菌が体内に進入します。
原因菌が進入すると、アゴの骨の中で化膿が始まり、また細菌やその毒素が血液の流れに乗って全身に運ばれます。
運ばれた先の手のひらや足の裏に膿をもった小さな膨らみが多数できます。
治療は簡単です。
原因となった虫歯や歯周病を治療すれば治ります。
ですが、意外とこの病気は知られていません。
お医者さんや歯医者さんも知らないことがあります。
手のひらや足の裏にブツブツがあり、なかなか治らない場合は口の中を調べる必要があります。
かかりつけの歯科医に相談したり、口腔外科に受診しましょう。
口の中の病気が原因の皮膚病2
60歳代の女性の患者さんです。
2ヶ月前より塩辛いもの食べた後に、口の中がヒリヒリした感じとなる。
その後も食事のたびに左右の頬の粘膜がヒリヒリする。
なかなか治らない。
内科を受診し、口内炎の塗り薬とうがい薬を出される。
でも依然としてよくならない。
だんだん不安になり、口の中のガンではないかと心配され口腔外科に来院されました。
なぜ、口内炎の薬で治らないのでしょうか?
実は、扁平苔癬(へんぺいたいせん)と呼ばれる皮膚病のひとつです。
原因はよく分からないのですが、歯科治療に使用される金属アレルギーが関係していること多いのです。